26 janvier 2010

引越まで jusqu'au déménagement (3)

Le 15 janvier 2010, vendredi
Cartierの革カバンを失くした。失くしたことに気付いたのは「Super Luxe」という店の前で車を駐車してからだ。気付く前に行った店は「Jambo」と「Megastore」だけ。「Jambo」に二回目に缶切りを探しに行ったときに、ついでにコップも買おうとしたが、機械が値段を読み取れず長いこと待たされたため、コップを買わずに出た。そのときにいらいらしていたので忘れて来てしまったのだと思う。それとも車の中に置いておいてやられたのか。そういえば、「Super Luxe」でドアをロックする時に右手のドアが半ドアだったためにロック出来なかった。いずれにせよカバンは見付からなかった。不幸中の幸いは、カバンの中にクレジット・カードも現金もいれていなかったことだ。とくに現金はATMで引き出してから一旦カバンに入れたが、一回目にJamboで支払ったときに、ポケットに移していた。またカードは前日はカバンに入れていたが、カバンをひったくりにあったりしたら危ない、身に着けておいた方が安全だと思って今日はジーンズのポケットに入れていた。旅券はDGMがキンシャサに送っているので所持していない。中に家の契約書コピー、仮滞在許可書、スイスの運転免許証など書類だけ。これらは再発行が可能なペーパーだ。Alain君がくれた2010年のダイアリーもあった。しかし、うっかりしていた。もう見付かることはないだろう。カバンはスイス時代からだから30年持っていたもの。残念だが、いたし方ないかもしれない。天の警告だ。そう思ってこれから気をつけることだ。

台所用品、食品、掃除道具、湯沸しポット等々をそろえた。

組み立て式の勉強机を買い、組み立てをする職人を伴ってKipushiの家へいった。サレジア会のアトリエで買ったベットの組み立てもする条件で30ドルを承知した。払いすぎだろうな。だって、一月の 給与が100ドルの世界なんだから。しかもこの職人、名前はBienvenuといったが、組み立てに3時間半もかかったのである。

マットレスはQuin Matという高級家具店にあった。206ドル。ヨーロッパ人がよく利用する店だそうである。

冷蔵庫にビール、コーラ、トニックをいれた。

家に電気は通じていたが水道はまだ。家のドア、窓、バスタブ、トイレ等のチェックをして修理を要請した。

Le 16 janvier 2010, samedi
暗殺された大統領LD Kabilaの記念日、国民休日。今の大統領の父親である。休日のため買い物が出来ずにKipushiへ。水道屋(鉛管工)に来てもらい給水工事依頼。見積もりを作成し、大家代表Mlapo神父のところに行く。今日を含め、月曜日も休日なので、火曜日から工事を開始することになった。さて、これで来週中に入居できるのか。

床屋、Coiffeur Rafael。ママ・イェモ(独裁者モブツの母の名)通りにあり宿舎に近かった。21時まで営業。2006年に行ったところより床屋らしかった。高級店か。5500FC(550円)はここでは高い方。しかし洗髪の設備はない。インド系の客も来ていた。もっと高くて15ドルもするところがあるのだという。Patrick君の紹介。スポーツ刈をしたモデル(韓国俳優Won Bin)の写真を携帯にいれておいて、こんな風に刈ってくれと頼んだ。理容師は「わかった、わかった、まかせてくれ」と全てバリカンで刈ってくれた。つまり鋏をつかわなかった。Dar es Salaamほど虎刈りではない。なかなかの出来。

Le 17 janvier 2010, dimanche
Kipushiの家は庭が広いから犬を飼おう。番犬にもなる大型犬がいい。と思ってAlain君に相談したら、丁度獣医さんが彼の犬に予防注射をしにくるから聞いてみるとのこと。そうしたら、夕方、早速犬を一緒に見に行った。1軒目の犬は獰猛そのもので、その仔犬たちは可愛いけれど、親犬を見ると尻込みする。警備会社が買うという犬は、余りにも攻撃的すぎる。2軒目はドーベルマン。この種はよく知らない。シェパード、グレート・デン、ボクサーの仔犬はいないかな。
ドーベルマンをネットで調べてみると、番犬にもよく、また通常の家庭での愛玩にもいいとある。ドイツ起源の犬である。しかし、今日見たドーベルマン、母犬も父犬もみたが、どちらも純粋種とは思えない。第一ドーベルマン自身純血ではない。
名前は「タロー」だろうな。昔、アルジェリア大使館からもらった雑種中の雑種の雑犬と同じ名前にしよう。タローの運命は酷かった。僕が82年にアルジェリアを去ってから、近所の悪ガキに噛み付いて当局から処分されてしまったときく。兄弟犬は、三菱商事の駐在員にもらわれ日本まで連れて行ってもらったというのに。

ルブンバシ動物園。2006年の記事を読んで欲しい。今日行ったら同じ動物園が様変わりであった。あのみすぼらしい動物園が生まれ変わっていた。モイーズ知事もがんばったが、在ルブンバシの企業、それも大企業ばかりではなく中小も協力して素晴らしい動物園になっていた。入場料は外国人が3000FC(300円)、ローカルの大人が1500、子どもは500だから妥当といえよう。かなりの人出である。中国人の姿もみえた。これでは先週行ったMuyamba Parkが流行るわけがない。動物の種類はまだまだ少ないが、それでもライオンやトラが追加された。それぞれの住処が大きく動物たちものびのびとしている。ベルギー時代の彫刻も磨かれ、噴水も機能していた。さらに密猟されたチンパンジーが広い山に保護されていた。象やキリン、カバはいなかった。しかし、カタンガ州では絶滅したと考えられていた象がこの州内の自然国立公園で2008年に生存が確認されたそうだ。カタンガ州、確実に正常化の道を歩んでいる。

Le 18 janvier 2010, lundi
ルムンバが暗殺された日で今日も休日。コンゴ民主共和国の初代首相ルムンバがここルブンバシで暗殺されてから49年たっている。ルムンバの理想は高かったが、行政的実績は、在任時間が短かったこともあり、殆どない。格調高いナショナリズムを高揚する演説だけだ。だから英雄になったのかもしれない。

台所用の机と棚を郊外で買った。Alain君にネゴしてもらったが値をなかなか下げない。机などは粗大ゴミで捨てられたような使い古しの机だというのに20ドル、棚は新しいようだが出来の悪い粗末なベニヤ板張り棚で25ドル。ニスも塗っていない。しかし、日本のサイトでみたら、学習机が50 000円以上している。知らなかった。パソコン机で安いものが10 000円。シングル・ベッド(マットレス別売り)も30 000円で低い価格の方。左様ですか。日本も家具は安くないんだ。先祖代々使えるような家具でなくてもね。僕は畳に布団が大嫌いだ。いや寝るのに妨げにはならないけれど、布団を押入れに入れるのが面倒。横着か。それに床(畳)に直に寝るのが慣れない。ついでに日本の家賃を調べてみた。高い、高い。でも国民の購買力がコンゴとは違う。世界のトップ・クラスと世界のラスト・クラスを比較しても意味がないか。Patrick君の収入は200ドル程度だったろう。1DK+サロンの家賃が80ドル。先ず妥当か。Alain君は家族と広い家に同居。
ルブンバシの家賃が高いのは外人用の物件の場合だ。外国の鉱山会社、国連、巨大NPOが家賃を吊り上げる。一部の金持ち以外、かなりみすぼらしいところに住んでいる。最近はレンガ造りになったものの、壁が塗っていないし、屋根はトタン板。大きなVillaに住んでいても、室内に金をかけているとはいえないところが多い。田舎に行くとパヨット(藁葺き屋根、土壁)の家もまだまだみかける。それはそれで貧しいのではなく、気候に適した建物と僕は考えている。レンガ作りがいいわけではない。


わんちゃんは楽しみだなぁ。高校生のころペペルモコ(コリー)がいた。アルジェ時代には「タロー」がいた。タローのイメージがあるから、名前は「チコ」にしようかな。チコはサハラ沙漠で買ったキツネの名前だった。チコはパルマ島のプールに飛び込んで水死してしまった。

Le 19 janvier 2010, mardi
晴れ。

電球。欧州では普通の電球が禁止になり、省エネ電球しか売っていない。ここもそれに習ったのかPhilipsか中国製の怪しい省エネ電球しかない。Kipushiの家には蛍光灯が付いていた。これは家を借りるときに珍しい。通常電球や蛍光灯は入居時に付いていない。切れている蛍光灯、電球があったので購入し付け替えた。わんちゃんの茶碗を含めてまたJamboで買い物。Jamboで買う理由は、いちいち値段のネゴをしなくてもいいからだ。昼過ぎにKipushiに向かうことにする。中国製の脚立(4段)が110ドル。これは買っていない。誰かに借りるかな。しょっちゅういるものではないし。

家に来るはずの鉛管工plombierが来ない。16時まで待ってこないので、鍵をJustinさん(教会の事務をしている人)に預けてルブンバシにもどった。僕の部屋と台所は家具が揃ってきて、生活の匂いがしてきた。あとは机にスタンドをのせ、ベット・メイキングをすればいい。水だけが問題。水と風呂のお湯が出さえすれば住める。ルブンバシにも勿論キプシにも風呂屋がない。森鴎外はドイツから帰ってきてからというものシャワーも風呂も浴びず、身体は水を絞ったタオルで拭くだけにしたと聞いているが、僕はそうはいかない。熱い風呂は苦手だけれども、たとえ風呂がなくても、シャワーは欲しい。

Le 20 janvier 2010, mercredi
朝また警察にとめられた。今度はルブンバシの街中。うるさいなぁ。駐車許可証についてまた問題になった。Tchimengaに連絡すると、従業員がでてきてTchimengaは南アに出張中とのこと。参ったな。Alainが交渉して、10 000FCを警官に渡しその場は見逃してもらった。Alainの知り合いの市役所の責任者のところで駐車許可証をとることになった。30 000FC。Tchimengaもいい加減だから、やはり払わざるをえない。警官のチェック項目にのっているのだから、いちいち指摘されても面倒だ。

アスンタさんにsucré(小額の賄賂)について愚痴をこぼした。
シスターのところで無料医院dispensaireの計画がある。土地は既にGolf地区(高級住宅地区、どんどん郊外に延びている)に確保した。病院建設が出来ない。資金がないからだそうだ。クリスチャンの曽野綾子が会長をしている日本財団にも頼んだが、金額が大きく採用になっていないという。そこで、建設業者に発注するのではなく、自分たちで建築する計画に切り替えて建設費を大きく抑えた案を作成した。それでも資材費が教会からもどこからもまだ出てこない。果たして「日本カタンガ協会」として何かできるだろうか。ひとつのプロジェクトとしてとりあげることはできないか、Kyungu氏に相談してみよう。

Kipushiの家では鉛管工が新たな水道管配管工事を終えていた。壊れたトイレの貯水槽の工事も始めてくれた。ところが、Kipushi全体が停電だという。停電がない町だと言っていたくせに。Likashiからの配電が止まったらしい。最低だ。明日に期待するしかない。いつも明日、明日だ。

インタネット接続をmobile modemで解決することにした。VodaphoneではUSBモデムを値下げして65ドルになっている。先月は75ドルだった。さらに使い放題が月60ドル。これがつかえれば、速度は遅くても経済的。PCが1台か2台しかないのに企業向けのシステムはいらない。使い放題が60とは知らなかった。危なく800ドル近くするシステムを買う決心をするところだった。このUSBモデムを買ってきて早速テストした(18時)。その時には上手くいかずがっかりしたが、プログラム(Mobile Partner)を再インストールしてトライしたらあっさりとネットに繋がったのだ(21時)。スピードは遅いけれどメイルには支障がない。Skypeの音声通話の方は難しいかもしれない。

Le 21 janvier 2010, jeudi
既に木曜日。
鉛管工は15時半になってやってきた。水が出ない。配管工事は昨日終わっている。バス・ルームに洗面台を設置。鏡がない。計算するのを忘れたという。
庭のゴミを拾った。大きなゴミ袋がいっぱいになった。手でゴミを拾い集めたが、その手を洗えない。

Corruption Perceptions Index(腐敗認識指数)というのをドイツのNGOであるTransparency Internationalが毎年発表するようになって15年がたつ。批判、批評はかなりある。しかし、国家の大まかなクリーン度の評価である。腐敗(収賄)の定義を「公務員が職務職権を利用して私腹を肥やす」としている。コンゴ民主共和国の実績は2009年のランクでいくと180カ国国中162位でアンゴラ、コンゴ共和国(首都Brazzaville)、ギネ・ビサウ、キリギスタン、ヴェネスエラと肩を並べている。他国はいざ知らず、昨年12月22日にルブンバシについてからというもののRDCongoの実態はこの日誌に見る通りである。腐敗から脱出しようという試みもこの国にないわけではない。国家に入るべき収入として関税や諸手数料があるわけだが、それらを銀行振り込みにさせて、直接公務員が現金を受け取れないようにするという建前がある。ところが、あくまで「建前」で実態が伴わない。だから腐敗指数で不名誉なランク付けを一貫していただいている。上は大統領、大臣から、下は警官までということである。この腐敗を解決しなければ、どんなに資源が豊富でも先進国から相手にされない。
最もクリーンな国々はニュージーランド、北欧、スイス。日本は17位。ドイツ14位、米国19位、ベルギー21位、フランス24位。アルジェリア111位。最悪はアフガニスタン、ソマリアとなっている。しかしこれら最低の国とRDCongoの差は殆どない。
http://en.wikipedia.org/wiki/Corruption_Perceptions_Index

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