18 octobre 2010

10月18日 le lundi 18 octobre 2010 濾過器他 filtage d'eau, etc

Le 18 octobre 2010, lundi
快晴。

Maryse Condé『Histoire de la femme cannibale』から、やや「風が吹けば桶屋が儲かる」式の論理ながら、アフリカには世論がないという主人公の夫Stephanのカメルーン人の友人Raymondの主張を引用する。Raymondは「Afri-bin」というゴミ箱を世界中に売ってまわている男である。
「Le problème majeur de l’Afrique, c’est qu’il n’y a pas d’opinion publique…、アフリカには世論というやつがないんだ、それがこの大陸の問題さ。何故世論がないかといえば、みんな無力なんだな。何で無力?そりゃ、ゴミの所為なんだ。みんなゴミをちらかす。ヤウンデ(カメルーンの首都)の下町やマダガスカルなんか、例えばの話が、ゴミの中を泳いでるようなもんだぜ。歩道、道路のコーナー、横の溝、いたるところゴミだらけ。陽にさらされて悪臭が漂うんだ。黴菌の塊だ。そいつを野良犬どもが町の端から端まで撒き散らす。そいで赤ん坊が弱っちまう。子供たちの傷口が化膿する。病気という病気に大人が感染する。彼らは金がないから治療が出来ない。病気で弱ってしまう。こうして独裁者がはびこるんだ。Afri-binさえあれば、こんなことにはならない!」
これを読みながら笑ってしまったが、「何処も同じゴミの山」、しかし、笑ってはいられないのが現状。本当にゴミがルブンバシにもキプシにも多いのである。キンシャサもゴミの首都だ。だからこの国には世論がないのだろうか。

ルブンバシには新聞がない。なくなったのだ。キンシャサから送られてくる新聞はあるが、あまり読者がいない。日本のような大新聞社は当然ながらない。TV局は全国ネットを含め地方局が数局ある。しかし、その影響力はどうだろう。僕も何回かここのTVに出演している。でも反応は弱い。キプシ街道が悪路だとは有名であるが、それが世論を形成して当局を動かすにはいたらない。みんな羊のようである。諦めなのか無関心なのか。サテライトTV放送を受信している家庭もある。アラブ人の間での噂のネットワーク、口コミをフランスでは「アラブ電話 téléphone arabe」という。ここはさしづめ「コンゴ電話 téléphone congolais」とでもいっておこう。携帯電話の普及が手伝って噂の伝達度は高い。しかし、この電話のソースは怪しいことが多い。信頼性が乏しい。やはり、プロの記者が記事を書く新聞社が再建されなければならない。

配管工のイルンガさんがきて、水のフィルターの蛇口取り付けをしている。濾過器はインド製だが、プラスチックの蛇口が壊れている。そこをテープで貼って使っていたが不便である。過日中国人の店で丈夫そうな蛇口を見つけたので買ってきたが、穴の大きさがあわない。そこでイルンガさんに修繕を頼んだのだ。なんとヤスリで穴を大きくしている。原始的だが直ればそれでよい。
しかし、蛇口が付いた。買ったときの蛇口が壊れてから半年、蛇口のところの水位まで濾された水がたまると、テープで塞いだ穴から水が漏れる。それを合図にペットボトルに水を溜めていた。この煩わしい作業から開放されるのだ。また一つ生活改善。やれば出来るじゃないか。沸かした湯をさましてフィルターにかけるか、水道水をフィルターにかけておいて沸かすか、いずれにせよ水道水は飲料としては直接使えないのはルブンバシでもキプシでもキンシャサでも同じである。(写真はインド製濾過器、中にセラミックのフィルター棒が2本入っている)。

16時から19時まで停電。これはちょっと計画的停電だな。

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