12 janvier 2011

1月10日 le lundi 10 janvier 2011 『黒い沖仲仕』 «le docker noir»

Le lundi 10 janvier 2011
快晴。

隣の学校が始まった。クリスマスから年末年始は休校だった。冬休みだが、ここには冬がない。13時ごろまで、授業の間、休憩時間、子供たちが騒ぎ回るし、紙くずを僕の庭まで投げ捨てて汚しまくる。読み書きは習ってもゴミを捨てない散らかさないということは習わないようだ。もっとも、先生たちが第一そういう教育を受けていないからゴミがなくなる見込みはない。

セネガルの作家サンベーヌOusmane Sembène『le docker noir黒い沖仲仕』を読み終えた。219ページ。舞台は1950年代のマルセイユ。主人公ディアウ・ファラDiaw Fallaはセネガル出身で日雇いの沖仲仕をして生計をたてている青年。いつか作家になることを夢見てせっせと作品を書いている。パリの若い女流作家に騙され、彼女をあやまって殺してしまう。アフリカ諸国が独立前の時代、黒人が「黒ん坊nègre」と蔑称された時代である。
日本でいうと横浜の寿町のようなマルセイユの一角に主人公は住んでいる。戦後また高度成長期の港湾労働者の生活は日本もフランスも変わらない。しかし、フランスの場合、マグレブのアラブ人を初めアフリカ黒人が重労働である港湾荷役労働を支えていた。
作品は殺人事件は別として作家サンベーヌの自伝といえよう。読み応えのある作品であった。しかし、彼の教養あるフランス語は当時の一般のセネガル人には読み辛かったに違いない。そこでサンベーヌは、文字を介さない映画を撮ることにした。モスクワに行って映画を学び、映画監督としても大成する。映画のプレゼンテイションで来日もしている。
(画像はサンベーヌの若いころだが、パイプは彼のトレード・マークで、パイプを銜えている写真が多い。1923-2007、享年84歳)。

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