01 novembre 2017

10月1日~31日 『暴力に縛られて』ヤンボ・ウオロゲム 『Le devoir de Violence』Yambo Ouologuem

le dimanche 1er octobre 2017
6時、快晴、25℃、42.5%。

電力メーター数字、16916kWh。9月消費電力358kWh。半月休暇で家を空けていた割には多い気がする。休暇の間、外灯を昼間も点けっぱなしにしておいたので節約がきかなかった所為があるかもしれない。

コンゴは電力が足らないというのに、電力会社は節電の宣伝をしない。前カタンガ州知事モイーズ氏が街頭で、消費電力の少ない電灯を使うよう住民を説得している姿をTVでみたことがあるが、昼間も屋外灯を点けている家や店が多い。メーターを設置している家が少なく、見なしで電気料金を請求されているところが大部分で、節約する気が人々にない。教育宣伝がされていない。定期停電をする位なら、節電教育をすべきであろう。

le lundi 2 octobre 2017
5時半、快晴、25℃、42.5%。

6時5分前に停電。今日は前回停電から9日目である。10日毎に停電になったと云ったのは何処の誰だ。だから5時半に起きて「万が一」に備えたのだが、「万が一」どころの確率ではない。ところが、6時20分になって電気がきたのである。さぁて、さて。

コーヒーが切れたので、日本に一時帰国したNさんに頂いた緑茶を飲んでいる。静岡の老舗のお茶だ。美味しい。リプトンのグリーンティーというのもあるが、味も香りも全く違う。中国にも緑茶があってルブンバシで買ったけれども濃いお茶にはならなかった。製法が異なるのか。

スペインではカタルーニャ独立を問う投票が昨日あった。マドリッドの反応は投票妨害を官憲がするなど過剰だった。スペインの歴史からみても、バルセロナ地方が独立しても不思議はない。この事情はコンゴのキンシャサとルブンバシ(カタンガ州)と似ていなくもない。カタルーニャを独立させてもいいじゃないかと思う。スペイン経済には痛手だが。

le mardi 3 octobre 2017
5時半、快晴、26℃、40%。

「予定通り」6時5分前に停電。

「ザンジバル紀行2」
ザンジバルの首都通称ストーンタウンはオーマンが築いた町だろうが、規模が小さくモロッコのフェズなどのメディナに比して面白くないという印象を2013年に初めて行ったときに書いた。その印象は変わらない。
この街には伝統的にインド人も多い。インド人にもイスラム教徒が多いはず。しかし、ヒンズー寺院もいくつかある。カトリック教会もあった。いくつもの宗教が共存している。それでもコンゴのようにバイブルをもとにした新興宗教が林立している姿はみられないようだ。
今回は地図をみて、ペルシャ風呂を訪ねた。Hamamni Persian Bath。何故ペルシャ風というのか。アラブやトルコの風呂ハマムと変わらないように思えた。残念なのは遺蹟化していることである。実際に風呂として運営して欲しいものだ。混浴が無理なら、アルジェリアのように男女を午前午後または曜日によってわけて使えばいい。力まかせに身体をよじってくれる男性マッサージ師がいてもいいし、女性用にはインドの油で美容マッサージを提供するのもよい。レストラシオンは難しくなかろう。

ザンジバルはイスラム圏になるだろう。タンザニア本土、特に都会には回教徒だけでなくキリスト教徒も多いが、ザンジバルはイスラム色が強い。しかし、テロとは今のところ縁がない。危険度は欧州よりも低いと思える。

ザンジバルは島全体が白い砂浜で囲まれている。今回初めて東海岸のジャンビアーニJambianiでも海を堪能した。ホテルはここが一番良かった。休暇中、1泊50ドル程度のホテルしか泊まっていない。ザンジバルではストーンタウン、ジャンビアーニ、ヌングウィにそれぞれ2泊しているが、ジャンビアーニで泊まったホテルは海岸に接していて食事もベストだった。エビなど海鮮料理が手ごろな料金で、シェフの手並みも悪くなかった。

これも以前書いたことだが、アフリカの旧英国植民地の国々は飯が不味い。ところが、今回に限っては、観光地ではかなり改善しているのではないかと思えた。

le mercredi 4 octobre 2017
5時、快晴、26℃、40%。

朝7時半に出るために早起きした。5時45分、見事な朝焼け。

聖フランシスコの日だった。アスンタ佐野シスターのフランシスコ会では特別なミサがある。参加したかったが、仕事があってむりだった。
アッシジのフランシスコは聖人の中でも特別な聖人である。聖フランシスコは宗教改革が始まる16世紀よりもはるかに以前12世紀の聖人だ。十字軍はその前世紀末から始まっていた。第5回十字軍がアラブと戦ったとき、聖フランシスコはアル=カミールに直接会って和睦を勧めると同時にキリスト教への改宗を申し出ている。蛮勇ともいうべきかもしれないが、その行動力にはまいってしまう。敵地に兄弟弟子とふたりで乗り込んだのだ。日本語Wikipediaではこの会見を無視しているが、特筆すべきじゃないだろうか。

le jeudi 5 octobre 2017
5時半、快晴、26℃、42.5%。

le vendredi 6 octobre 2017
6時、快晴、26℃、50%。

大発見。庭のアボカドの木に実がなっている。2本植えたうちの1本だ。隣家の古いアボカドの木がこちら側に枝を伸ばして、これも実がなっている。今年はアボカドの豊作になりそうだ。もう1本の家のアボカドの木には相変わらず実がない。パパイヤのように雄株と雌株があるのだろうか。

le samedi 7 octobre 2017
6時、曇り、26℃、45%。雨季に入る前の「マンゴー雨」が近いと思われる。

昼間、とにかく暑かった。ぼーとしている。夕方、熱を測ってみると37℃を超えていた。怠いわけだ。早寝しよう。
パナドールで熱を抑えたが、今度は下痢。夜中じゅう何回もトイレに駆け込む羽目になった。ビオフェルミンを飲んでも効果がない。細菌性?熱があるから下痢を誘発しても不思議はないが。
マラリアかもしれない。明日、症状が続くようならドンボスコ病院に行こう。
昨日一昨日と蚊に刺された記憶がある。

le dimanche 8 octobre 2017
6時半、快晴、27℃、45%。

熱は平熱(36°2分)、下痢はも止まった感がある。しかし、ふらふらする。カスンバレサ行きは諦める。それに旅券がキンシャサに行っているのでカスンバレサには行けない。来週にしよう。

14時45分、雨がパラパラと降ってきた。6か月ぶり。今日は大雨にはならないだろうが、上空の電波状態が悪いのだろう、サテライトTVが一時受信できなくなった。雷の音がしている。

昼、お粥を作った。玉子、バター、梅干し入り。お米はタイに出張したNさんが日本食品店で買ってお土産にくれた新潟の「コシヒカリ」。梅干しはHさんから頂いたものだ。贅沢だなぁ。お粥を作ったのは初めて。ご飯を炊いて食べられない時代には、お粥にしてお腹を満たしたに違いない。

le lundi 9 octobre 2017
5時45分、快晴、26℃、50%。

13時、ルブンバシでは激しい雷雨があった。昨日日曜日のキプシの雨は15分も続かなかった。

le mardi 10 octobre 2017
5時45分、曇り、26℃、60%。

夕方6時、小雨。

胃酸過多を抑える薬としてZantac(グラクソ社)があるが、そのジェネリックであるAcilocを10錠購入。インド製。Zantacは奇跡の薬だった。6000フラン(450円)。RanitidineとしてWikipediaに説明がある。

滞在ビザがとれた。12か月。30ドル。とってくれた仁に交通費として20ドル。計50ドル。キンシャサの外務省の直接発行ビザで移民局(DGM)ではない。DGMは外務省の傘下の機関だ。数次ビザなので、いちいち出国ビザ申請もいらない。ありがたい。

le mercredi 11 octobre 2017
6時、快晴、24℃、65%。

このまま雨季に入ってしまったら?

中華食品店で馬鈴薯を買った。スーパーよりも大きい。豆腐のついでに求めた。まさか馬鈴薯まで中国からの輸入でもないだろう。中国人の農園で作っているのかもしれない。
インヴォイスをみたら「土豆」と書かれている。土豆とは面白い。しかし、調べてみたら「馬鈴薯」ともいうようだ。

le jeudi 12 octobre 2017
5時半、曇り、24℃、60%。

チーコちゃんがホットで、僕のベッドでシミをつける。以前のように膿の混じったシミではないが、困ったなぁ。自然のことだけれど、スイスなら排卵日を変える薬もあるけれど、ここでは見たことがない。チカちゃんのときは薬で抑えた。チーコちゃんの所為ではないから我慢するしかない。

le vendredi 13 octobre 2017
5時半、快晴、24℃、65%。

6時5分、予定通り停電。

キンシャサからザンビアとの国境カスンバレサまでの光ファイバー敷設が今月完了したそうだ。途中バンドンド州、カサイ州を通って、カタンガ州を縦断する3300kmの工事を中国輸出入銀行がファイナンスした。2億ドル以上。ここまでに3年を要した。これは悪くないニュースである。ザンビアやタンザニアは既に光ファイバー網を持っているらしいから、インド洋までつながったということだ。
では、これがどう国民生活と関わってくるのかがまだわあらない。逓信省のラ・ポストが運営するようだが、データ通信が国民に広くまた安く解放されるのか不明。

le samedi 14 octobre 2017
6時45分、快晴、24℃、60%。

le dimanche 15 octobre 2017
6時半、快晴、24℃、37.5%。

le lundi 16 octobre 2017
5時半、快晴、24℃、30%。マンゴー雨の「後遺症」がなくなって完全に暑さがぶり返してきた。11月の本格的雨季までこの暑さが続くだろう。

ネコちゃんの食品(缶詰、ビスケット)が多少スーパーの棚に並ぶようになった。3か月ぶり。

リベリアの大統領選挙は元サッカー選手の英雄と現大統領の副大統領を務めている候補者との決選投票に持ち込まれた。

le mardi 17 octobre 2017
5時45分、快晴、25℃、30%。

フランス文化センター図書館でYambo Ouologuemの『Le Devoir de violence』を借りた。作者はマリ人、14日に77歳で亡くなった。メディアで大きく扱われたが、僕には未知の作家だった。『Le Devoir de violence』は処女作。1968年の作品というのが気になった。パリで「革命」(Mai 68、68年5月)があった年である。
剽窃問題があって、作家Ouologuemは抹殺された。この作品は再評価されて2003年に再発行されている。背景には、大方のアフリカ奴隷貿易の見方、アラブと白人の犠牲になったという見方と違う歴史を語ってしまったということがあるらしい。要検証。


le mercredi 18 octobre 2017
5時45分、快晴、26℃、30%。

le jeudi 19 octobre 2017
6時、晴れ、28℃、45%。室内28℃で自然と汗がにじむ。外は多少涼しいが、空気が重い。

le vendredi 20 octobre 2017
6時、快晴、28℃、40%。

le samedi 21 octobre 2017
7時、快晴、28℃、40%。

le dimanche 22 octobre 2017
7時、快晴、28℃、40%。

夜中に停電。定期停電は明日の筈。17時45分回復。この停電は長かったが、僕の家のある地域だけでなくキプシ全体だったようだ。となると、また電線盗難かな。

『Le Devoir de violence』(Yambo Ouologuem)の第1章、La Legende des Saifsを読み終えた(50ページほど)。この章は白人が来る前のアフリカの殺伐たる暴力が支配する想像上の国の話だ。白人到来前のアフリカは「未開」の平和な大陸だったという神話をぶち壊す。

le lundi 23 octobre 2017
5時半、快晴、26℃、45%。

5時50分、予定通り停電。20時15分、回復。

le mardi 24 octobre 20114
6時、快晴、24℃、40%。

Canal+が提供するTVチャンネルは250局以上あるが、時々提供局がかわる。今回「J・One」という局をみつけた。チャンネル48。ジーワン。フランス語放送。日本のアニメを中心に放映している。しかし、中には日本紹介番組や韓国ドラマもある。2013年に出来た局のようだ。NHKワールドは英語しかない。
日本のアニメについては、僕よりもフランス人の若者の方が詳しい。コンゴ人も同様だ。2002年頃、恵比寿日仏会館でフランス人学生から「アキラ」についてコメントを求められたが、アニメだとも僕はしらなかった。
「J・One」は採算に乗っているのだろうから、相当の視聴者がいるということだ。以前、フランスの子供たちが日本のアニメに親しむことによって思考回路が変わるのではないかと心配したが、アニメに託されたモラルがユニバーサルになってきているのかもしれない。日本の作家のモラルが変わってスムーズに世界で受け入れられるようになったのか、価値観の抵触がなくなってきたのではないか。

le mercredi 25 octobre 2017
6時、快晴、26℃、40%。

23日(月)にルブンバシに来たフェリックス・チセケディ野党党首は結局当局の指示でミーティングを開けず、今日キンシャサに帰った。RDCコンゴの国連人権理事国入りは民主化に貢献しなかったようだ。

le jeudi 26 octobre 2017
6時、快晴、28℃、45%。

17時30分、 パラパラと雨が。直ぐに止んでしまった。
20時10分、雷雨。

映画『Félicité』。アラン・ゴミスAlain Gomis監督。セネガル人を父、フランス人を母とする監督だ。映画の舞台はキンシャサ。今年のベルリン映画祭で銀熊賞を獲得した作品。日本での上映が始まったようだ。
フェリシテという名前は女性の名前として少なくない。普通名詞では幸福。見たい映画だが、映画館が1件しかないルブンバシでは無理だ。DVDで探してみよう。

le vendredi 27 octobre 2017
6時、雷雨、26℃、55%。朝から雨。いよいよ雨季。

雨が降ると、蚊、羽蟻、蛾の大発生がある。特に羽蟻は、雨をじっと待っていたのだろう、夜間に家に入ってきて、朝には羽を落として何処かに消えてしまう。

le samedi 28 octobre 2017
6時、曇り、24℃、60%。夜中に雨が降っていた。

扇風機は来年2月、3月まで不必要になったようだ。カタンガではエアコンが先ずいらない。

持っている圧力釜が圧力釜としての機能をしない。日本製だというがどうも怪しい。煮込み料理に時間がかかり過ぎる。2時間も煮込むことがある。電気代がかかるなぁ。電気圧力釜をインド人の店で見た。いいかもしれない。
また、炊飯器でジャガイモを蒸すことができるようだ。テストしてみる。

明日フランスでは冬時間になる。午前3時が2時。ルブンバシと1時間の時差ができる。20時のニュースをここでは21時にみることになる。面倒なり。

le dimanche 29 octobre 2017
7時、曇り、24℃、65%。

le lundi 30 octobre 2017
6時、小雨、22℃、70%。急速な温度低下と湿度の上昇である。

le mardi 31 octobre 2017
6時、快晴、22℃、65%。

『Le devoir de Violence』(Yambo Ouologuem)の邦訳が1970年に岡谷公二氏の訳ででていることがわかった。『暴力の義務』とタイトルが訳されている。英語版は『Bound to Violence』で、「暴力に縛られて」という意味だろうと思う。devoirは「義務」には違いないのだが、「暴力の義務」というタイトルの訳が僕にはよくわからなかった。

ついでに岡谷氏についてWikipediaで調べたら、かなり変わった方である。若いアフリカ人で無名の作家ウオロゲムの作品を訳したのも普通じゃないが、レイモン・ルセルRaymond Rousselやミシェル・レリスMichel Leirisなるこれまた変わったフランスの作家たちの翻訳をしたり研究をしたりしている。最近は伊勢や出雲の背景を探り古代朝鮮に行きついた。

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