26 mars 2020

【Enfants de Musoshi 5】 ケイコ フジモト Keiko Fujimoto


【ムソシの子供たち 5】ケイコ フジモト
ケイコさんは「子供たちの会」の元会長だ。結婚した夫が保険会社Sonasの部長をしている。今年から民間の保険会社が運営するようになったが、それまでは国営のSonasだけだった。保険をかけても、保険の意味がないような、支払いの悪い会社である。民間が市場に参入して多少かわるかもしれない。
そんな保険会社の部長だが羽振りがいい。高級住宅街に大きな家を構えている。
ケイコさんの夫は大学で教鞭もとっており、文字も書けなかったケイコさんを学校に通わせてくれた。ケイコさんも向学心が強く、30歳半ばを過ぎて大学を卒業した。6人の子供がいる。
ケイコ フジモトさん
「ムソシの子供たちの会」の元会長
日本髪を結っても似合いそう
「ムソシの子供たち」のうち女性は夫に恵まれている例もある。そうでない場合は悲惨である。キミコさん、ナナさん、サツキさん等は貧困のさなかにある。
恵まれたのはケイコさん、キョウコさん、サクラさんの3人だろう。キョウコさんの夫は前大統領の親戚らしく鉱山会社のオーナー、サクラさんの夫は税務署の高級官吏である。
恵まれた理由は、日本人のハーフは色白ということだ。コンゴ人は肌の色が白い相手を好む。だから、たまたま社会的地位が高い夫(ここでは金持ち)に遭遇した女性は「玉の輿」となる。
そうでないと、France24で発言しているナナさんのように買春せざるをえなかった女性もいる。彼女はいま4人の母親で養鶏をしている。初めの2人の子については誰が父親であるかも知らない。養鶏を初めてから、軍人の夫と巡り会えた。

男たちはそうはいかない。東洋系にたいする差別は大きい。殆どみんな失業している。失業保険、生活保護もない国で、「なんとか生活している se débrouiller」のである。
一人、ダイモン君だけが大企業に務めている。コンゴ最大の民間鉱山会社テンケフングルーメで働いている。前述キョウコさんと姉弟だからだ。

ケイコさんは、会長のとき、ルブンバシからキンシャサの日本大使館を訪問している。「子供たちの会」はこのとき初めて日本国籍を要求している。大使館は玄関払いなどせず、日本の外務省に問い合わせ、外務省は日本鉱業(現JX金属)に連絡している。日本鉱業は「子供たちの存在を知らない。日本鉱業がムソシ鉱山を運営していたとき、子供たちのことについてきいたことがない、日本人の子供などというのは言いがかりではないか、日本鉱業はタッチしていない、従業員と現地女性のと間に子供など出来ていない」と外務省に回答している。
この日鉱の態度は現在も変わっていない。全く「ムソシの子供たち」のことを無視するのである。彼らの存在そのものを否定するのだ。

外務省は、日鉱の否定的回答をえて、本件は民事であるので、国としては何もできないと在キンシャサ日本大使館に返答している。これが日本政府の公式見解で、今回のサイトウ君の手紙に正式な回答はまだ大使館からなされていないが、現在もそのままと思われる。

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