16 juillet 2010

7月14日 le mercredi 14 juillet 2010 Condé «Ségou»

Le 14 juillet 2010, mercredi
快晴。やや風強し。

ネットが22時になってやっと通じた。慌ててブログを更新した。なんとか12日まで掲載した。

ネットが通じないと読書がすすむ。
Maryse Condé『Ségouセグ』を読み終えた。344ページだった。だが、まだ2巻ある。読んだのは第1巻『土の城壁』だけだ。
時代は18世紀末から19世紀初頭。場所は現在のマリ共和国。
僕はこの国に一度だけ行ったことがある。アルジェから行ったのでひたすらサハラ沙漠の上を飛び沙漠の中のバマコ(首都)に着いた。ニジェール川は濁っていた。『セグ』を読むとき沙漠の経験があるとより理解が深まるだろう。
『セグ』は大河小説である。しかし、退屈しない。舞台が広い。この作品をアフリカの『風とともに去りぬ』だと評した人がいるが、ドラマチックで息をつかせない。構成が上手い。Maryse Condéの筆の運びは一流である。フランス語としてはクラシック。歴史をよく調べ、風土風俗の調査も精緻である。しかし、登場人物の性格や感情はヨーロッパ的だ。
ストーリーはセグの有力者ドゥシカ・トラオレDousika Traoréの家族(息子たち)の運命を描く。セグというマリの古都、ニジェール川に沿ってトンブクトゥTombouctou、ジェネDjennéが登場する。これらの都市は18世紀末に栄えた。さらにセネガルのゴレ、モロッコのフェズ、或いはブラジルへと話が展開する。筋が読めたと思うと、意外な展開で主人公の一人を殺してしまったりする。とてもハッピー・エンドとはいかない。
イスラムと土着信仰の戦い、奴隷貿易、出生問題(自己のアイデンティティ)、孤独と共同体等々、扱われるテーマは時代を超え大陸を越えた壮大なドラマである。
Maryse Condéは日本でもクレオール文学者として持てはやされているようだが、ユニヴァーサルな価値をもつ作家である。
CCFに続きの巻があれば読みたい。

(画像上はセグの王宮、18世紀中葉、既にイスラムのジハードによって占領された後だ。フランスが来るのは1890年。画像下はToumbouctou)

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