08 août 2006

幸福度世界ランキング Carte mondiale du bonheur

前回、掲題について言及した。多少詳しくみてみよう。

実は、映画監督を目指す若い友人Y君からメイルをもらった。
いわく「Davidytさんは、スイスにもコンゴにも住んでいたんですね」
どういうことかと思ったが、要は世界178ヵ国中の第2位の国と
第176位の国にいたんですね、といものだ。彼は僕の著した
『コンゴ日誌』を熱心に読んでくれた一人である。

彼がくれたURLは携帯からのみアクセスができるものだった。
そこで、Googleで調べてみた。
当初はフランス語サイトで一つのニュースとして読んだ。
しかし、次にReuterが取材した先であるソース、
Leicester大学のURLをみつけた。ここでは、
ランキングを作成したホワイトAdrian White教授が自ら
コメントしている。
http://www.le.ac.uk/pc/aw57/world/sample.html


様々な国のメディアがこのマップを報道した。
モロッコの新聞は、「わが国の現状をみると、114位というのは
悪くないだろう」、イスラエルは「今回の戦争前の資料に基づいて
いるが、フランス(62位)に比べて58位は善戦している」

90位にランクされた日本はというと、多くの場合、「それ見ろ、
俺たちは不幸なんだ、目覚めよ」。そして、この国の歴史的
上昇志向を倣って「目指そうtop10入り」という相変わらずのもの。

僕はこのマップそのものを疑う。人騒がせなホワイト教授だな、と思う。
何故なら幸福度happiness/bonheurとは、極めて個人的な価値観による
ものだからである。更にまた、とりわけランキングの下位にある国々の
ことを考えて欲しい。21世紀の今日、最下位グループにランクされた
原因はなお歴史的に、たとえば、ホワイト教授のいる英国にあるのだ。

機会があったので、このことを駐日コンゴ民主共和国大使Marcel
Mulumba Tshidimbaさんと話し合った(8月3日)。大使は、こうした
ランキングに慣らされてしまっているのか怒りもしなかったが、
ランキング作成の効果を笑った。つまり「この地図を見たアフリカ人は
それなら幸福な国に移住しようじゃないかと考えるよ。移民問題が
騒がれ、移民を制限しようとする「幸福な国々」は矛盾した行動を
とるものだね」。

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