『ザンジバル、ビクトリア湖、タンガニーカ湖紀行』(7)
ビクトリア湖もタンガニーカ湖も全体を見たわけではない。ナイロビ=ルブンバシの上空を飛んだときにタンガニーカ湖が見えただけである。ビクトリア湖は琵琶湖の100倍、タンガニーカ湖も東京都の15倍ある。
g) ビクトリア湖
ビクトリア湖 |
ムワンザの港は水も汚れていたし、港の設備も貧弱、魅力のない港だった。
水揚げされた魚の腸をオバさんたちがとるのでペリカンが寄ってきていた。ペリカンも薄汚い。後で調べてみると、あの鳥はペリカンではなくハゲコウというらしい。
遊覧船などなく、近くの村に行く定期船があるのみ。その定期船も老朽船だ。
島に渡ったり、観光をする船は高級ホテルが提供する。必ずしも宿泊客でなくても利用できるが他の客がいなければ貸切になるので割高になる。対岸のウガンダやケニアの港に行く船もある。
ドキュメンタリー映画『ダーウィンの悪夢』でタンザニア独立前にビクトリア湖に放流されたナイル・パーチが生態系を壊したとされる。巨大な魚で体長2メートル、体重200キロになる魚だ。日本にも輸入されていて、スズキの代わりに寿司にもなるらしい。多分僕も知らずに口にしたことがあるのだろう。パーチと英語発音になって初め分からなかったが、「ペルシュperche」のことだ。ジュネーヴではレマン湖のペルシュをフライにしてよく食した。白身の美味な魚である。そのナイル版。
ナイル・パーチを魚市場に見に行ったが、全く水揚げされていなかった。魚の名前は市場の人みんなが知っていたが食べた人は誰もいなかった。ナイル・パーチは輸出されるだけだという。湖畔の高級ホテルでムワンザ最後の夜のディナーをとった。鉄板焼きコーナーがあった。そのメニューにはナイル・パーチがなかったが、特別にアレンジしてもらった。しかし、別段感激するような味もしなかった。
ナイル・パーチの姿を見たくてタクシの運転手に頼んだら、ナイル・パーチの輸出工場(Nile Perch Fisheries Ltd)に連れて行ってくれた。工場長が会ってくれたのはいいが、僕を日本の商社マンが休暇のついでに立ち寄ったのだと誤解されてビジネスの話になってしまった。口裏をあわせはしたが、こちらは工場見学をしたかっただけだった。それも時間がなく何のための工場訪問だったのか結局空振りに終わった。
ムワンザの街の南東、港ほど遠くないところにカプリ・ポイントがある。小高くなっていて湖が見渡せる高級住宅街だ。確かに立派な邸宅が並んでいた。眺望もいい。ただそれだけだ。
ムワンザから世界的に有名な国立自然パーク「セレンゲッティ」は一日でサファリができる。コンゴで育っても動物園しか知らないクリスチャンに野生動物を見せたいと思った。ダルに行く途中」ミクミ国立公園」を通るのだが、生憎真夜中で動物の姿も見えなかった。ところがエイジェントで聞くと一人620ドルだという。入園料が120ドルで、四駆を一日ハイヤーするからだ。それにしても高い。どこかのグループと一緒にさせてもらえば安くなるというので、そういうグループを探してもらうことにした。しかし、エージェントから連絡はこなかった。
寄生虫がいるというのでビクトリア湖での水泳は控えた。
(続く)
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