Le 17 juin 2010, jeudi
快晴。
昨日ソニー・ラブ・タンシの『Les Sept Solitudes de Lorsa Lopez』(1985、201ページ)を読み終えた。文章はソニーらしい歯切れのいいものだが、内容が先週読んだ『La Vie et Demie』に比べてかなりアフリカ的(地方的)なので、理解し難い点もあって前半を読むのに時間を要した。話はある国の都市間、海辺の町Valanciaと内陸の町Nsanga Nordaの争いである。ストーリーはLorsa Lopezが彼の妻を殺害するところから始まる。殺人を犯したのにNsanga Nordaにしかない警察がこない。Valanciaは只管警察が来るのを待つ。この辺はベケットの『ゴドーを待ちながら』的である。その間に次々とValanciaの人やValanciaに味方する人たちが殺されていく。不条理劇である。不条理とはabsurdeの翻訳である。出来すぎた翻訳だと僕は思っている。Absurdeとは要するに「馬鹿らしい、阿呆らしい」ということだ。それはともかく、エスプリと辛辣なユーモアはソニーの持ち味である。
しかし、出てくる固有名詞(人名、地名)は架空のものが多いが、それがコロンビアの作家ガルシア・マルケスGabriel Garcia Marquezに敬意を表してこの作品を書いたらしく、スペイン系の名前が創作されているけれども、人名に女性の名前を選んで実は男性の名前として使っていたり、たとえばLorsaが男性、Sarngata Nolaがやはり男性だったりする。第一、Sarngataは読みにくい。僕はサルガータと読むことにした。この性の不一致と奇妙な子音の挿入が作品を読みにくくしている。
初めのほうでソニーが日本を規定するのに面白いことを云っている。挿話であるが、作品の舞台となる国が、国際会議で先進国と反目する。先進国米国はこの国のパイナップルを買わないと宣言する。他の先進国が追随するのだが、フランスはアメリカへの配慮から、ベルギーは理解を示して、ドイツは頭が固いから、南アは直感的に、そして日本は「敬意からpar honneur」やはりパイナップルを買わないことにする、と書いている。ソニーが日本を名誉を重んじる組とみていると知ってちょっと嬉しくなった。アメリカのやることに何でも追随する主体性のない国とは皮肉にも云っていないのだ。
売れなくなったパイナップルをどう処分することにしたかは、作品を呼んでいただきたい。ユーモアである。
たぶんこの作品も日本語に翻訳されていると思う。一読をお勧めする。
ソニーのもう一冊の本、僕にとって三冊目になる『L’Etat honteux恥辱の国』をアラン君が大学の先生から借りてきてコピーしている。週末には読めるだろう。その間にフランス文化センターから、こんどはコート・ディヴォワール(象牙海岸、Côte d’Ivoire)の作家アマドゥ・クルマ(Ahmadou Kourouma)の『Quand on refuse on dit non厭なときは否(ノー)と言うんだ』を借りた。クルマは独裁者を嫌って海外(アルジェリア、カメルーン、トーゴ)に30年間亡命していた。この作品は遺作となっている。2003年に76歳で亡くなっている。前作『Allah n’est pas obligéアラーの神は自由だ』(邦題『アラーの神にもいわれはない』)の続編だと作者自身が書いているし、物語もそのようにして始まる。少年の目からみたコート・ディヴォワールの内戦の話のようだ。
チコちゃんを獣医Ilunga博士のところに連れて行った。ワクチンを注射するためである。複合ワクチンでeucose(leikemia virus)、typhus、coryza(cat flu)に対する免疫を作るため。連れてきたときのダンボール箱は汚かったので、篭もないし、助手席にタオルを敷いてルブンバシに行ったが、チコはどこに行くのか分からず大騒ぎ。でも、やがて慣れて僕の膝の上で大人しくなった。注射後、マドンナと同様に観光手帳を発行してもらった。35ドル。いくつか立寄るところがあったので帰りは16時を過ぎていた。7時間も車の中にいたことになる。気疲れと注射の所為か、家についてから寝込んでしまった。注射されるとき騒ぎ出さず、彼女は偉かった。けなげだよ、チコちゃん。
引越すかもしれない。前に見た家の大家が200ドル/月でいいといっているし、ガレージ付なのもいい。窓や戸の開けたてもいい。ここよりも入居時の状態が清潔。使用人小屋があるが、出入り口は別になっている。前金5ヶ月。つまり1000ドル。問題は風呂の湯沸かし器が壊れていることだ。修理可能というが入る前にチェックする必要がある。水についても夜はでるというが、その水圧は? 寝室が4つもあって今いるところよりも広い家に一人だ。
新装なったグラン・カラビア・ホテルに見学にいった。詳細はブログ『日本カタンが協会』を参照乞う。
http://associationkatanga-japon.blogspot.com/2010/06/inauguration-de-lhotel-grand-karrabia.html
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