晴たり曇ったり。
ショックなことがあった。むしろがっかりしたことかな。反省することしきりである。携帯電話を盗まれたのである。VodacomのSIMが入っているSamsunである。すきがあったということに尽きる。先月はカメラを盗られているし、ついていない。
夕方微熱。パナドールで抑えた。
昨日アラン君に借りたDVDを見た。『イタリアンL’Italien』(バルOlivier Baroux監督、2010年)と『スターと僕Mes Stars et moi』(コロンバーニLaetitia Colombani監督、2008年)である。どちらもカド・ムラドKad Merad主演。
ムラドの名前を全く知らなかった。彼の出演した映画を一本もみたことがなかった。1964年生まれの俳優だが、2001年以降になって映画出演を果たしている。名前からも判るようにアルジェリア移民の子である。しかし、母はフランス人。生まれはアルジェリアのシディ・ベル・アベス(オランの南85km)だが育ちはフランス。顔つきは地中海人、フランス人ともみえるし、イタリア人ともみえる。
『イタリアン』の監督バルはラジオ放送界出身。1964年生まれ。映画の初監督は2007年。『イタリアン』は3作目。映画に挿入された音楽も既存の流行歌(ポピュラー・ソングというのかな)で軽いタッチのコメディーである。
アルジェリア移民の子である主人公ムラドMouradには就職先がなかった。一計を案じてイタリア人ディノDinoと偽って就職、持ち前の明るいキャラクタから自動車のトップ・セールスになる。ニースの仕事場ではイタリア人、彼女にもイタリア人で通し、マルセイユ実家ではアルジェリア移民だ。人種偏見問題、イスラム宗教問題など深刻なフランスの現実を扱うにも拘らず、あくまでコメディ・タッチ。ハッピ・エンドでもある。興行として成功したようだ。フランスの映画によくある一つのエピソードが終わったのかどうか分からない、観客に問題を投げて考えさせるという風はない。こういう単純な映画が今のフランス人にもてるようになったのかなぁ、と思わせる。
『スターと僕』の監督コロンバーニはボルド出身の女性監督、女優、シナリオ・ライタ。76年生まれと極めて若い。この映画にも出演している。ネコの精神分析医役。僕は出演作品も監督作品もみたことがなかった。『スターと僕』は6作品目。
三人の女優につきまとうストーカ男の役がカド・ムラド。夢を実現したと同時に現実の関係(仕事と妻)を失うというコメディ。しかし、この映画もハッピ・エンド。小太りしたカトリーヌ・ドヌーヴが出演している。
この最近の2作品だけでフランス映画の傾向を云々できないのは勿論だが、フランス人もハリウッドやボリウッドのハッピ・エンドが好きになってきたのだろうか。それともアラン君の趣味なのだろうか。
なお、DVDは海賊版。フランスで今年11月24日に発売された『イタリアン』が、既にルブンバシに入ってきているということだ。早い。著作権は勿論クリアしていないだろう。先進国にとっては重大な問題だろうが、貧しい国には特例を設けて欲しい、
ところで、『スターと僕』の原題『Mes Stars…』のstarは勿論英語から来ている。スターは本来そのフランスではvedetteまたは文字通り星étoileである。英語単語の乱用はやめようという法律があったと思うが実効性がないようだ。
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