11 août 2006

女子サッカー Football féminin, Léopards dames

今夏「なでしこジャパン」はオーストラリア、北朝鮮に敗退したが、
そのU-20版は今年4月マレーシアで行われたオーストラリア戦に
敗れていた。

8月17日から9月3日にかけてロシアでFootball Féminin U-20
de la FIFA, Russie 2006が開催される。

RDC(コンゴ民主共和国、首都キンシャサ)はナイジェリアと共に
アフリカ大陸を代表して出場する。1974年ザイール時代、男子が
ドイツ大会して以来、初めてRDCがFIFA開催の大会に出る。女子の
快挙である。

アジアからは中国、北朝鮮、オーストラリアが、欧州からはドイツ、
フランス、フィンランド、スイスそして開催国ロシアが出場する。

なでしこ、学名はDianthus superbus var. longicalycinus。
「ジュピター神の花」がその意。フランス語ではOeillet superbe
が属名と思われる。万葉にある「朝ごとに我が見る宿のなでしこの、
花にも君は、ありこせぬかも」と笠女郎(かさのいらつめ)が歌った
「なでしこ」は大伴家持のことで男性をあらわした。その家持が
坂上大嬢に贈った歌「我がやどに蒔(ま)きしなでしこ、いつしかも
花に咲きなむなそへつつ見む」では勿論相手の女性だ。とすれば
なでしこは何も日本女性を指すばかりではなく、日本男児のことも
言ったことになる。

閑話休題。
コンゴ女性サッカー選手はレオパール(豹)と呼ばれる。
これは強そうだ。僕がルブンバシに滞在中、このレオパール軍団と
隣国ザンビアの女性サッカー・チームの試合があった。1-0で勝利したと
きいたが、友人A君も応援にかけつけ、サッカー場は立錐の余地も
なかったという。しかも、後の新聞記事によれば、
旅費が足らず試合2日前まで代表選手が事前に一堂に会して練習する
こともままならず、当日は国家を歌う楽団の準備ができなかった。
また試合中に飲むミネラル・ウォーターを用意してくれたのは
応援してくれた観客たちで、チームにはその金もなかった。
そんな状況下でレオパールたちは闘ったのである。



ロシアでの試合予定は、18日米国、21日フランス、24日アルゼンチン。
いずれも強豪ぞろい。そのなかで一勝でもすれば、これは快挙中の快挙である。
彼女たちに声援を送ろう。

追記(2 sept.2006):RDCはGroupe Dで全敗。米国とフランスが
トーナメントに勝ち進んだ。明日9月3日の決勝戦は、意外にも
アジアの国同士の戦いになった。中国と北朝鮮である。

対米国、対フランスとも一点差のゲームであったし、アルゼンチンとは
点差は4点と開いたがシュート数やボールの占有率では互角であった。
初出場のRDCはよく戦ったというべきであろう。

追記(5 sept.2006):9月3日(日)の決勝戦は、北朝鮮の大勝利に
終わった。5対0で中国が敗退した。


Kim Song Hui, de la RDP Corée, célèbre l'un de ses buts
inscrits en finale de Russie 2006 face à la RP Chine.
Les Nord-Coréennes se sont imposées 5:0 le 3 septembre
2006 au stade du Lokomotiv de Moscou.

1 commentaire:

Anonyme a dit…

J社でお世話になったYです。
RDCの女子サッカーチームの健闘を読みました。
 
 現代スポーツが経済的利益を追求する傾向にあるのは否めませんが、スポーツの本質は人材育成(運動を通した人類の紳士的、論理的な教育)にあると思っています。
 これが、RDCにも齎されれ、国の発展につながると思います。