23 février 2011

2月16日ケン・ブグル著『わたしの男たち』

Le mercredi 16 février 2011
晴。7時、気温23℃、湿度50%。

記憶力が薄らいでいる。顔は思い出すのに名前がでてこないことがある。お河童頭のミレイユ・マティユ(フランスのシャンソン歌手)の名前が出てくるのに2日かかった。

16時半、ネット不通。17時45分回復。

先週水曜日CCFで借りたセネガルの女流作家ケン・ブグルKen Bugul『Mes Hommes à moi わたしの男たち』(2008年、252ページ)を終わった。結論から云えば彼女の作品で一番つまらなかった。舞台はアフリカではなくパリである。パリの11区。ヴォルテール通りにあるビストロ(バー)「シェ・マックス」に客として来ているセネガル出身の女主人公(語り手)ディオールDiorと常連の客たち一人ひとりの告白録である。

ファザー・コンプレックスで、相手の男たちを自分の父親と兄に常に対比するディオールの告白は性的表現が赤裸々である。赤裸々であるが、訴えるものがない。「へぇー、それで何が問題なの」と告白を聞きながらこちらは思うのである。主人公の世代は、フランスで云えば、1968年5月革命の前後に青春を過ごした。新しい自由、新しい価値観を求めた時代だ。それにもかかわらず、この作品は、狭い個人の体験の中に埋没してしまった感がある。あまり読むに値しない、時間の無駄をさせられた作品であった。『リワン』や『狂気と死』からは予想ができない駄作に巡り会ってしまった。
(画像は還暦を過ぎたケン・ブグルと本の表紙)

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