21 mai 2011

5月17日 le mardi 17 mai 2011 マーカス・ガーヴェイ Marcus Garvey

Le mardi 17 mai 2011
快晴。7時、気温21℃、湿度55%。
LD カビラ(現大統領の父親)がモブツ政権を打倒した日で国民祝祭日。

夕食はカツ丼もどき。ヒレ牛カツを数日前に作り溜めしておいた。米に「糖米」を1割ほど混ぜて炊いた。

マリーズ・コンデ『La vie scélérate』を継続してゆっくりと読んでいる、その中にMarcus Garveyが登場してきた。小説の時代は『セグ』や『ティチューバ』と違って現在である。20世紀が舞台だ。だからカーヴェイが出てくるのも不思議はない。
マーカス・ガーヴェイは1887年の生まれである。祖先はジャマイカで植民地政策に反抗したマロンの一味だったようだ。「マロン」については『セグ』や『ティチューバ』の項で書いた。カーヴェイその血を受け継いでか20世紀の前半を代表する黒人リーダーとなった。もともとは教会のオルガン奏者である。「黒いモーゼ」といわれた。ユダヤ人の倍意の「パレスチナに帰る運動」、シオニスムとおなじように、アフリカに帰る運動を起こした(Back to Africa)。ガーヴェイの時代は既に奴隷制度は何処でも廃止されていた。しかし、黒人の労働条件は奴隷時代とさして換わらなかった。アフリカに帰る、特にアメリカが作った国、リベリアに多くのアメリカ黒人が移住することになるが、ガーヴェイ自身はその死までアフリカ大陸に足を踏み入れたことがなかった。1940年、ロンドンで心臓麻痺で亡くなった。彼の思想・運動は、後のマルコムXなど黒人市民権運動へと繋がっていく。
小説では主人公たちがガーヴェイと直接の接触はないが、パナマや米国ですれ違うのである。20世紀のグアダループの黒人家族を描くにあたって、黒人ブルジョワ家族の歴史であっても、避けて通れない人物がカーヴェイなのではないか。

ところでこの『La vie scélérate』は文字通り訳せば『極悪人の人生』となるのだが、日本の翻訳をみると『生命の樹 あるカリブの家系の物語』となっている。極めて説明的なタイトルである。

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