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C君が農作業ではなく建築の職業訓練を受けることになった。セルジュ神父さんが適正をみて変えたということらしい。農作業も僕は大切な仕事だと思う。住宅や事務所等の建設は景気に左右される。農業はその影響が少ない。景気が悪くて人々が贅沢をしなくなっても基本の食事はする。キャビアは食べなくても、コンゴ人がブカリを食べなくなることはない・ブカリは彼らの主食。トウモロコシの粉から作る。
建設にもいろいろ職種がある。作業着(つなぎ)がいりそうだ。また安全靴も。それらを買いにルブンバシの街中まで出た。つなぎが700円、靴が1900円。
まじめに3年間トレーニングを受けてくれ。頼むぜ。
9月からトレーニングの授業が始まるが、昨日から夜間にベルギーから来たボランティアがフランス語の授業を始めた。また今日から午前中アラン神父さんが補習授業をしている。9月には外部からも生徒が来る。彼らと学力に差がないように補修授業をするのだ。ありがたいことだ。C君はフランス語がある程度以上できる。けれども学校は4年生で終えてしまっている。しかし、読み書きができることを確認したので、読書を勧めた。そこで。先ず聖書を買った。拾い読みすることだ。1ページ目から読んでいてはバイブルは厚いから気力が続かないだろう。旧約、新約を織り交ぜながら読む。聖書には、逸話や例え話が満載されている。試験のために覚えるのではなく、読むことを楽しめるようになればいい。そうしたら、カミュの『異邦人』など易しいフランス語の小説を読めるようになる。アリアンスやフランス文化センタの図書館を利用するようになれば大進歩だ。
(画像は僕が読んでいる聖書。同じものを買った。フランス語が現代語で読みやすい。地図や付属資料もあって便利である。解説もついている。これで700円。教会から補助金がでているのかもしれない。安すぎる。しかし、ありがたいことだ)。
Sさんのご母堂Aさんのお宅にC君を連れて行った。C君のいる「マゴネ」はサレジア会の施設である。Aさんはサレジア会の創始者ドン・ボスコが大好きだ。居間にドン・ボスコの写真もあるし、日曜日のミサもサレジア会の神父さんの教会にでかける。
AさんはC君の名前を知ると、亡くなった息子の一人と同じ名前であったことからか、イエスのこと、聖母のこと、ドン・ボスコのことを頻りとC君に話しかけていた。「マゴネ」で頑張るんだよ、正直に生きなきゃいけないよ、神様も、周りの人々も、みんなが君の事を見ているんだからね、、、等々。スワヒリ語であったのでそれ以上のことはわからなかったがC君は神妙に聞いていた。
これより前、グランド・ポスト(中央郵便局)近くの交差点で軽い事故を起こした。相手は普通乗用車。交差点手前で駐車していたところ、僕が右折するところに突っ込んできたのだ。僕は右折サインを出しているし、大回りで右折しようとしていたのに。車を疵付けられた僕の車に件の車のオーナーと称する男が、大変な剣幕で乗込んできていちゃもんをつける。さっきまで一緒にいたアラン君を急遽電話で呼び戻した。若い「黄シャツ」(交通警官)まで乗込んできた。僕は沈黙。もっぱらアラン君が交渉した。警察に行って調書を作るとすると数時間以上かかる。正義を主張しても無駄なことは分かっている。警官もわかりがいい。男は2万フラン(2000円)を要求しているようだ。細かい。相手は車に保険もかけていない、今年の車の税金も払っていない、それに車は他の男が運転して現場を離れてしまったことを知っているから、これはいいがかりにちがいないのだが、早く処理するために支払いに応じることにした。但し、これもアラン君がネゴして結局10ドル(9000フラン)でセットルした。「黄シャツ」には、お邪魔代として300円。外国人とみれば金をふんだくろうと、たとえ関係者でなくても介入してくる。この男が本当にオーナーかどうかも分からない。ベルギー人の神父さんが人身事故を起こして、現場を立ち去らずにいたために、周りのコンゴ人に殺害されたという事件も昔あったらしい。白人にたいするいわれのない偏見が黒人の側にあることもある。
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